舞台の上の人だ、っていつも思う。
獅子座の彼を見てると。照明があたってて、堂々としてて、まわりが自然と彼を中心に回ってる。あの華やかさ、ずるいくらい似合うんだよね。
でね、好きな人ができたとき、彼がどうするかっていうと。もっと照明を浴びにいくの。
えっ、こっち来てよ、じゃないんだ。ステージの真ん中で、いつも以上に輝いてみせる。見て。俺、こんなにいい男でしょって。それ、あなたに向けたラブレターなの。伝わりにくいけど。
獅子座の好意って、近づくんじゃなくて、まぶしくなる方向に出る。だから読み違えられやすい。翻訳のコツ、置いていくね。
好きな人の前で、獅子座はなぜか余裕ぶる
ガツガツいかない。むしろ、王様の顔をする
好きになったら猛アタック。獅子座、そういうイメージあるでしょ。半分あってて、半分はずれてる。
本命相手だと、彼はむしろ落ち着き払うの。
どうでもいい子には、けっこう気軽にいける。冗談も言えるし、距離もすぐ詰められる。ところが、本気の相手の前だと、急にどっしり構えだす。焦ってないふりをする。追いかけてないふうを装う。
なんでかっていうと、かっこ悪いところを見せたくないから。がっついてると思われるのが、彼にとっては敗北なの。だから余裕のある男を演じる。内心、心臓ばくばくのくせに。
獅子座の余裕は、本物の余裕じゃなくて、必死に保ってる余裕だった。あの背筋、ぴんと伸びてるけど、裏ではけっこう震えてる。
やたら武勇伝を語りだしたら、それは求愛
好きな人の前の獅子座、話が急に盛られるの。
仕事でこんな成果を出した、昔こんな武勇伝があった、周りにこう頼られてる。聞いてもないのに、実績がぽろぽろ出てくる。
(自慢っぽいな)って思うでしょ。でもあれ、求愛のダンスなの。孔雀が羽を広げるのといっしょ。俺はこんなに頼れる、こんなにすごい、だから隣にいる価値があるでしょ、っていう不器用なアピール。
ここで、へえすごいね、って乗ってあげると、彼の目がぱぁっと輝く。分かりやすいくらい機嫌がよくなる。獅子座は、認められた瞬間に世界がバラ色になる人たちだから。
あなたの前でだけ、失敗を隠したがる
逆の兆候もあってね。これがけっこう決定的。
彼、あなたの前でだけ、うまくいかなかった話をしなくなる。他の人には愚痴るのに、あなたにはかっこ悪い自分を見せない。
これ、意識してるの。好きな人の中では、いつでもヒーローでいたいから。しょんぼりした姿とか、落ち込んでる背中とか、そういうのを必死で隠す。
だから、もし彼がある日ふっと弱音を漏らしたら。それ、めちゃくちゃ大きい合図。鎧を脱いでもいい相手だって、認めたってことだからね。
獅子座の独占欲は、堂々と、隠さず出てくる
こそこそしない。正面から縄張りを主張する
独占欲の出方も、獅子座は獅子座らしい。
蟹座みたいにじっと溜め込んだりしない。さそり座みたいに静かに監視したりもしない。獅子座は、堂々と出す。
その人、誰? って、まっすぐ聞いてくる。俺といるときは俺だけ見てて、くらいのことを、わりと平気で言う。人前でも、さりげなく、こいつは俺のって空気を出す。肩を抱いたり、隣をキープしたり。
隠す発想がないの。だって、堂々と独り占めするのが、彼にとってはかっこいいことだから。
分かりやすいでしょ。裏表がない、とも言える。獅子座の独占欲は、地下に潜らないで、ステージの上で堂々と踊る。
プライドと独占欲が、セットで動く
獅子座の独占欲、根っこにあるのはプライドなの。
自分の彼女が他の男と親しげにしてる。これ、彼にとっては、王としてのメンツの問題になる。取られる不安もあるけど、それ以上に、なめられたくないっていう感情が強い。
だから、あなたが他の男を褒めたりすると、てきめんに機嫌が悪くなる。むすっとして、態度がでかくなったり、逆に急に無口になったり。子どもっぽいなぁ、って思うんだけど、まぁ、そこも含めて獅子座なのよね。
ここでね、あなたがいちばんだよ、って立ててあげると、驚くほどあっさり機嫌が直る。ちょろい、っていうか、素直なの。承認で回ってる人たちだから。
束縛じゃなくて、不安の裏返しだったりする
ちょっと踏み込んだ話をするとね。
あの堂々とした独占欲、内側をのぞくと、けっこう不安がうずくまってる。獅子座って、外から見ると自信のかたまりみたいだけど、本当はもろい部分を抱えてるの。
認められないと、途端にしぼんじゃう。愛されてる実感が切れると、あの明るさがすっと消える。
独占したがるのは、あなたを信じてないからじゃなくて、自分に自信が持ちきれてないから。俺なんかでいいのかな、って心細さが、独占欲っていう強気の形に化けてる。強がりと弱さって、コインの裏表なんだよね、けっきょく。
これは重い独占欲? それとも、愛のうち?
見分けるのは、あなたを立ててくれるかどうか
独占欲って言われると、ちょっと身構えるよね。束縛されるのかな、って。だから線引きの話をしておく。
健やかな獅子座の独占欲は、あなたを持ち上げる方向に出るの。
俺の彼女、こんなにすごいんだぜ、って周りに自慢する。あなたの成功を、自分のことみたいに喜ぶ。あなたが輝くと、彼のプライドも満たされる。だから、あなたの活躍をつぶそうとしない。むしろ応援する。
この形なら、独占欲はむしろ心地いい。守られてる感じがして、大事にされてるって実感が湧く。
これはちょっと危ないな、のライン
逆に、注意したほうがいいパターンもある。ここは正直に言っておくね。
あなたの成功を面白がらない。友人関係に、いちいち口を出してくる。俺より目立つな、みたいな空気を出す。あなたの世界を、狭めにかかってくる。
こうなると、それはもうプライドが悪い方向に転がってる。獅子座のいいところは、あなたと一緒に輝きたいっていう発想なの。あなたの光を消して自分だけ輝こうとしはじめたら、それは愛じゃなくて、支配に寄ってる。
見分けの軸は、あなたが彼のそばで、大きくなれるか、小さくなるか。前者ならいい独占欲。後者なら、ちょっと立ち止まったほうがいい。
私が獅子座の彼に、うっかり火をつけた夜
他の男を褒めた瞬間、彼の照明が消えた
飲みの席でね。共通の知り合いの男性が、気がきくねって話になって。私、なにげなく、〇〇さんて優しいよね、って言ったの。ほんとに、なにげなく。
その瞬間だった。
彼の顔から、ふっと照明が消えた。さっきまで場を回してたのに、急に静かになって、グラスの氷をからからやりだした。
(あれ、なんか、まずかった?)
最初、意味が分かんなくて。え、そんなこと? って正直思った。優しいって言っただけじゃん、って。
でも彼の中では、俺がいる前で他の男を持ち上げた、っていう事件だったの。王座を、ちょっと揺らされた感覚。
まぶしいね、の一言で、彼が復活した
気まずい空気のまま、店を出て。帰り道、ずっと無言でさ。あの沈黙、地味に長かった…。
どうしよ、って考えて。責めるのも違うし、放っておくのも違う気がして。だから、ぽつっと言ったの。
でも、やっぱり今日いちばん場を盛り上げてたの、あなただったよ、って。
そしたら。
彼、ちょっと黙って、それから、そう? って。声のトーンが、あきらかに上がってた。さっきまでの氷ガラガラが、うそみたいに止まって。
げんきん……!って心のなかで叫んだよね。切り替え、早すぎでしょ。でもその素直さに、なんか、ふっと笑っちゃって。イラっとしてたのが、いつのまにか、可愛いなに変わってた。
獅子座って、こじらせると厄介なのに、扱い方さえ分かると、これがまた愛おしいのよ。太陽みたいにわかりやすい。翳ったら、光を返してあげればいいだけ。
獅子座の心を、まっすぐ掴むには
とにかく、まず立てる。話はそれから
獅子座への接し方、突きつめると一個なの。認めること。
すごいね。かっこいいね。頼りになる。この手の言葉が、彼にとっては水や空気とおなじ。ないと、しおれる。あると、ぐんぐん伸びる。
お世辞くさいかな、なんて遠慮しなくていいよ。獅子座は、褒め言葉を額面どおり、まるっと受け取る。ひねくれた解釈をしないの。この素直さ、いっしょにいると、けっこう気持ちがいい。
ポイントは、他人と比べないこと。あの人よりすごい、じゃなくて、あなたがすごい。獅子座は、比較の中の一位じゃなくて、絶対的な特別でいたい人たちだから。
独占欲には、安心をひとさじ返す
やきもちを焼いてる彼には、安心を渡すのがいちばん早い。
心配しないで、私が見てるのはあなただよ。この一言で、彼の不安はすっと溶ける。獅子座の独占欲は、不安が燃料だから、安心をくべると、火が静かに落ち着くの。
逆に、焼きもち焼きだねー、ってからかったり、突き放したりすると、こじれる。プライドが傷ついて、意地になる。獅子座のすねモードは、けっこう長引くから、そこは優しくいこう。
あなたも、堂々と輝いていい
最後にこれ。獅子座の隣で、小さくならなくていいの。
彼は、しおらしく従う人より、自分の光を持ってる人に惹かれる。あなたがあなたの舞台で輝いてると、彼はそれを、俺の彼女すごいだろ、って誇りに思う。
二つの太陽が、それぞれ光ってる。そういう関係が、獅子座にはいちばん似合う。片方が影になる必要なんて、どこにもないんだよね。
まぶしさの奥に、ちいさな心細さがある
獅子座の彼は、いつも堂々としてて、光にあふれてて、なんだか無敵に見える。
でも、あの輝きの奥に、ちいさな不安がひとつ、しゃがんでる。愛されてるかな、認められてるかな、って。強気な態度も、隠さない独占欲も、根っこはそこ。まぶしく見せるのは、あなたに好かれたい一心で。独り占めしたがるのは、失うのがこわいから。
どうでもいい相手の前で、獅子座はこんなに必死にならない。まぶしく振る舞うのも、やきもちを隠さないのも、あなたが特別だっていう、いちばん堂々とした証拠なんだよ。
彼の光に、ときどき、大丈夫だよって光を返してあげて。太陽は、照らし返されると、もっと明るくなれるから。
