乙女座の男友達三人と、焼き鳥屋のカウンターで飲んだ夜。
酔った勢いで聞いてみた。
好きな子を、わざと避けたことがある人。
三本の手が、ほぼ同時に挙がりました。
迷いゼロなのが、逆にこわい(笑)。
SEの彼は、好きな人とエレベーターで二人きりになりそうだと、階段を使うらしい。
九階まで!
薬剤師の彼の場合は、もっと重症。
好きな子と仲のいい男がいると知った夜、その男の出身大学まで調べたって。
家具職人の彼は、黙ってうなずきながら、串を一本ずつ同じ向きにそろえてた。
あとで聞いたら、好きな人の前だと声が裏返るから、話しかけられないんだとか。
結局その夜は、閉店まで好き避けの失敗談で盛り上がった。
三人の話を聞きながら、私が思い出していたのは新卒で入った会社の先輩。
9月生まれの、物静かな人でした。
ほかの後輩には冗談も言うのに、私とは用件しか話さない。
メールの返事は誰より早くて、誤字のひとつもない。
雑談を振っても、そうですね、で終わってしまう。
(私、何かやらかした?)
毎朝、先輩の席の前を通るたびに胃が痛くて。
一度だけ、給湯室で合コンの話をしていたら、背中越しに先輩がつぶやいた。
その店、駅から遠いよ。
その夜、店までの地図のリンクが、なぜか私にだけ届いた。
嫌われていると信じこんでいた私は、親切な人だな、で片づけてしまった。
先輩の好きな人が私だったと知ったのは、五年後の同期の結婚式です。
二次会で、先輩と仲のよかった人がぽろっと漏らした。
ワイングラスを持つ手が、空中で止まったまま。
まさか、そんな。
叫びそうになるのをこらえて、引き出物の紙袋を握りしめた。
顔から火が出そうなのに、胸の奥だけ妙に冷えていく。
あのリンク、いまもトークの履歴に残ってます(泣)。
乙女座の好き避けは、外国語みたいなもの。文法がわかれば、ラブレターに読める。
乙女座男性のやきもちの焼き方は、静かで遠回り
その焼き方は、燃えさかる炎とはちがう。
冬のドアノブの静電気みたいに、見えないのに、触れた瞬間だけパチッと痛い。
怒鳴ったり、スマホを見せろと迫ったりはしない。
そのかわり、言葉の端っこで小さな火花が散る。
ほかの男の話をすると、質問が急に細かくなる
ほかの男性の名前を出したとたん、質問が増えていく。
それ誰って聞くだけならかわいいのに、乙女座の質問はそこで終わらない。
何の仕事の人か、どこで知り合ったのか、何人で行くのか。
口調はあくまで世間話。
なのに聞いてくる項目が、身辺調査並みに漏れがない。
本人は、興味のないふりをしているつもりです。
(いや、全部バレてるから)
薬剤師の彼の出身大学リサーチも、この延長線上にある。
情報が欠けたままだと、不安の正体がつかめなくて眠れない人たちなんですよね。
心配のふりをした、遠回りな確認
飲み会の日に限って、帰りは何時ごろになるか聞いてくる。
夜から雨だよ、と天気予報のスクショが届く。
先輩のあの地図も、いま思えば百パーセントやきもちでした!
行かないで、とは口が裂けても言えない。
だから、無事に帰ってきてほしい、のほうを全力で伝えてくる。
束縛と呼ぶには、あまりに控えめな確かめ方。
乙女座のやきもちは、親切の服を着てやってくる。
SNSの足あとだけは、律儀に残していく
飲み会の写真をストーリーに上げると、足あとの一番上に彼の名前。
なのに、いいねもコメントもない。
見たことだけは、なぜか隠さない。
焼き鳥屋の三人に確かめたら、揃って目をそらしました。
反応すれば気持ちがにじむ、でも見ずにはいられない。
その板ばさみの結果が、あの無言の足あとなんだとか。
ライバルの粗を、論理で並べてしまう
これは、あの夜の三人も苦笑いで認めてた。
好きな人がほかの男をほめると、その男の弱点を冷静に挙げたくなるんだって。
あの人、締め切りにルーズって聞いたよ、とか。
悪口のつもりはなくて、彼の中ではあくまで正確な情報提供らしい。
そのわりに、目が笑ってないんだけど。
頼んでもいないのに、あなたのパソコンの不調を直し始めるのも同じ根っこ。
ほかの誰より役に立つところを、黙って見せておきたいんです。
血液型別、やきもちの焼き加減
血液型によって、その火力はけっこう違う。
A型なら、約束で安心を形にしたい誠実派。
やきもちを焼くと、次に会う日を早めに押さえようとしてきます。
O型だと、守りたい気持ちが素直に表に出る、面倒見のいい兄貴タイプ。
雨の日の送り迎えを買って出るのは、たいていこの人たち。
B型の場合は、好奇心と遊び心にあふれたマイペースな人です。
平気な顔で趣味に打ちこみながら、あなたの反応だけは見逃さない。
AB型の人は、観察眼の鋭い理知的なタイプ。
分析するような口ぶりで、相手の男のことを一言だけ聞いてきたら、それがサインだよ。
乙女座男性の好き避けの特徴
おろしたての白いスニーカーを履いた日は、水たまりを大げさによけて歩く。
好きな人を前にした乙女座も、あの歩き方に似ています。
大事なものほど、汚したくなくて遠回りしてしまう。
目が合った瞬間、そらすのが速すぎる
目が合うと、0.5秒でそらす。
そらした先で、急に忙しそうになるのもお約束。
書類の角をそろえ直したり、通知の来ていないスマホを開いたり。
家具職人の彼いわく、視線がぶつかると、気持ちを全部読まれる気がするらしい。
なんか、推しに認知されたくないファンの心理に近いのかも。
近づきたいのに、見つかるのは怖い。
視線を外した直後、彼の肩がビクッと動いていたら、かなり脈ありです。
みんなには柔らかいのに、あなたにだけ事務的
誤解がいちばん生まれやすいのが、ここ。
職場のみんなには軽口をたたくのに、あなたの前では業務連絡モードになる。
新卒の私が、嫌われてると思いこんだのもこれでした。
正直言って、あの頃の私には難しすぎる暗号だった。
乙女座の事務的な態度は、緊張で雑談の言葉が品切れになった状態だったりする。
特別な相手の前でだけ、言葉が喉の手前で渋滞を起こすんです。
用件のある連絡だけ、やけに丁寧で完璧
雑談は三往復も続かないのに、用事のある連絡は早くて正確。
誤字ゼロ、改行まで整った返信が届く。
用件という安全な口実があるときだけ、彼は安心してあなたに近づける。
グループのやりとりと見比べてみると、温度の差がよくわかります。
あなた宛てだけ丁寧さが一段上なら、相当あやしい(笑)。
SEの彼は、好きな子への返信だけ三回読み直してから送るそうです。
おかげで、返信の遅い人だと思われるのが毎回の悩みらしい。
まぁ、私も好きな人へのLINEは五回読み直す派なので、人のことは言えない。
あなたの話を、覚えすぎている
一度話しただけの好きな映画や、苦手な食べもの。
何か月もたってから、何でもない顔で言い当ててくる。
乙女座の記憶力は、関心のある相手にだけ本気を出すみたい。
避けているくせに、あなたの情報だけは最新版に更新されている。
この矛盾こそが、好き避けを見抜く最大の手がかりかもしれません。
好き避けか脈なしか、乙女座男性を見分ける境目
避けられているのが、好きのせいなのか、ただ興味がないだけなのか。
ここを読み違えると、私みたいに五年後の二次会でグラスを止めることになる。
見るべきは、避けた直後の彼です。
離れたあとも、視線が戻ってくるか
好き避けの乙女座は、離れても同じ空間に居残っている。
背中を向けていても、意識の半分はこっちを向いたまま。
何気なく振り返ったら目が合って、また大あわてでそらされる。
脈なしの避け方は、もっと淡白です。
視界から消えたら、それっきり。
戻ってくる視線が、ひとつもない。
あなたが困ったとき、誰より先に動くか
乙女座の愛情は、言葉より手伝いに出やすい。
避けていたはずなのに、コピー機が詰まると、いつの間にか横にいる。
直し終えたら、お礼を言う前にもういない。
(そこまでがワンセットなの…)
脈なしなら、手を貸す順番も熱量も、ほかの人とまったく同じ。
二人きりのときと、みんなといるときの差
好き避けの彼は、二人きりになると挙動が変わる。
急に自分の得意分野を早口で語りだすか、置物みたいに固まるか。
どっちに転んでも、それは緊張のしるし。
脈なしの人は、二人でもみんなでも、温度がほとんど変わりません。
気をつけたいのは、乙女座が苦手な相手にも礼儀だけは崩さないこと。
丁寧かどうかより、その丁寧さに混ざる揺れのほうを見てほしい。
冷たさにムラがあるうちは、まだ脈がある。
乙女座男性が好きな人ほど避けてしまう理由
好きがバレていると思いこむ、スポットライト効果
心理学でいうスポットライト効果も、ここに絡んでくる。
自分の気持ちや見た目が、実際より人目を引いていると感じてしまう現象のこと。
乙女座の男性は、この思いこみがかなり強め。
自分の好意が全員に見抜かれている気がして、先回りで距離をとる。
実際は、誰も気づいていないのに。
(先輩、私はまったく気づいてませんでした…)
愛の星が控えめになる星座と、反動形成
西洋占星術の世界では、愛と喜びの星の金星が、乙女座だと力を出しにくい。
ときめきより先に、分析が立ち上がってしまう配置。
本気でホロスコープを読むなら、彼の金星と月がどの星座にあるかも見たいところ。
やきもちの出方は、むしろそっちに濃く表れるので。
心理学のほうからも、似た説明ができます。
反動形成といって、認めたくない気持ちを、正反対の態度でくるんで隠す心の働き。
好きだから、冷たくする。
小学生の男子みたいなことを、乙女座は大人になっても上品にやってのけるんだから。
自分の欠点を百個書けと言われたら、乙女座の男性はたぶん二百個書く。
そんな人にとって、好きな人の前に立つのは、試験会場に入るくらい緊張すること。
完璧じゃない自分を見せるくらいなら、近づかないほうがまし。
その美学が、好き避けのいちばん奥にある。
好き避けする乙女座男性との距離の縮め方
用事のある会話で、彼の得意分野を借りる
いきなり二人きりの食事に誘うのは、乙女座には刺激が強すぎる。
入り口は、用件つきのおしゃべりがいい。
彼が詳しいことを、ひとつだけ質問してみる。
エクセルの関数でも、コーヒー豆の選び方でも、部屋干しが乾くコツでも。
教わったら、試してみた結果を後日ひと言で報告する。
これを細く長く続けると、単純接触効果で彼の警戒がほどけていく。
会う回数が増えるだけで、相手への好感が上がっていく心の動きのことです。
質問されること自体、乙女座には意外とうれしいんですよね。
汚れても平気、と先に見せておく
さっきのスニーカーの話に戻ると。
乙女座が近づけないのは、汚したくないから。
だったら、こっちが少し泥のついた靴で歩いてみせればいい。
仕事でやらかした話、方向音痴の武勇伝、料理の大失敗。
不格好な自分を先に見せると、彼も鎧を一枚脱ぎやすくなる。
自己開示の返報性と呼ばれる、心のキャッチボールです。
やきもちは試さず、からかわず、予定で返す
別の男の話をわざとして、反応を見る作戦。
乙女座には、おすすめしません。
ささやかな火花は散らしても、彼は勝負の場には出てこない人だから。
自分が選ばれない可能性が見えた瞬間、傷つく前に撤退を始めてしまう。
薬剤師の彼も、試されてるとわかった時点で冷める、と即答でした。
質問が細かくなったり、天気予報が届いたりしたら、それはやきもちの火花。
ここで、やきもち焼いてるの?とからかうのも禁物です。
図星を突かれた乙女座は、それきり本音を見せなくなる。
返すなら、情報で。
今日は女友達と三人で、10時には帰るよ。
それだけで、彼の頭の中の不安は静かに片づいていく。
乙女座のやきもちには、なだめる言葉より、具体的な答えがよく効くよ。
