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乙女座男性とお金の価値観が合わない理由|ケチと倹約家の見分け方

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それ、いくらだったの?
……一万八千円。
へえ。
で、それ、年に何回使う?

陶器市で、ひと目ぼれした土鍋を抱えて帰った日の、彼との会話です。
深い飴色で、ふたのつまみが小さな栗の形をしていて。
冬の夜、この鍋を二人で囲む光景まで、帰りの電車でうっとり思い描いていたのに。
(年に何回って、なに…?)

乙女座の男性と付き合っていると好きなのに、お金の話になると、なぜか毎回ちょっとだけ噛み合わない。
割り勘が一円単位で、なんだか寂しい。
私の買い物にまで、いちいち意見してくる。
この人、ただのケチなんじゃないか。
このままで、一緒に暮らしていけるのかな。
ここで見るべきは、金額そのものじゃない。
二人が手にしている物差しと、その物差しがどこで作られたか。
あの土鍋が、それを嫌というほど教えてくれました。

目次

乙女座男性とお金の価値観が合わないのは、物差しがちがうから

どんぶり勘定の私と、幕の内弁当の彼

お金の扱い方を、器にたとえてみます。
私は、どんぶり勘定です。
給料も、臨時のお小遣いも、全部ひとつのどんぶりにざっと盛って、上から食べていく。
彼は、幕の内弁当。
食費、交際費、趣味、貯金、急な出費の備え。
小さな仕切りがいくつもあって、煮物の汁が隣の卵焼きに染みないよう、きっちり分けられている。

行動経済学者のリチャード・セイラーが唱えた、心の会計という考え方があります。
人はお金を、出どころや使い道ごとに、心の中の別々の口座に分けて扱っている、というもの。
同じ一万円でも、ボーナスで入ったお金は気前よく使えて、コツコツ貯めたお金は使いにくい。
誰にでもあるこの仕切りが、乙女座の場合はとにかく細かいんです。
どんぶりの人から見ると、弁当の人は窮屈に見える。
弁当の人から見ると、どんぶりの人は危なっかしく見える。
どっちが正しいかじゃなく、器の形がちがうだけ。

乙女座の頭の中では、値段を使う回数で割っている

乙女座の男性が買い物で見ているのは、値札の数字より、一回あたりの値段。
一万円の靴も、三年間ほぼ毎日履けば、一日あたり十円もしない。
逆に千円のTシャツでも、一度しか着ないなら、その一回に千円払ったことになる。
だから長く使える上質なものには、意外とあっさり大金を出します。
包丁、寝具、仕事用の鞄。
そのかわり、流行りものや、なんとなくの衝動買いには、財布のひもが岩のように固い。

心理学でいう損失回避も、ここに関わっています。
人は、一万円をもらう喜びより、一万円を失う痛みのほうを、およそ二倍重く感じるといわれる。
使わないまま棚の奥で眠るものを見るたび、乙女座の胸は、その痛みでずきずきするんです。
乙女座はケチなんじゃない。
納得できないお金を、払えないだけ。

担当の美容師さんの彼氏も、乙女座。
洗剤やティッシュは、ドラッグストアのポイント五倍デーまで絶対に買わないそうです。
切らしそうになると、あと三日だから、と言いながら、ティッシュを一枚ずつ大事に使うらしい(笑)
本人はそれを、けっこう楽しんでいるとか。
数字をやりくりするのが、乙女座にとってはちょっとしたゲームなんですよね。

支配星の水星は、商いの神さまでもある

乙女座を守る星は、水星。
ローマ神話のメルクリウス、ギリシャ神話でいうヘルメスです。
神々の伝令役として知られていますが、じつは商人や旅人の守り神でもある。
メルクリウスという名前自体、商品や商いをあらわすラテン語とつながっているといわれています。

数字に強く、損得の見通しを立てるのがうまい。
乙女座のそろばん上手は、生まれ持った星の気質みたいなもの。
それは、大切な人を守るための計算でもあります。
急な病気や失業に備えて、黙って貯めておく。
いざというとき、あなたを路頭に迷わせない。
細かすぎるように見える財布の中身には、たいてい、そんな地味な願いが詰まっているんです。

デートの会計で、乙女座男性と価値観が合わないとき

一円単位の割り勘は、公平でいたいという誠実さ

初デートで、一円単位まで、ぴったり割り勘された。
これって脈なしですか、という相談は、正直言ってかなり多いんです。
ひとり三千二百四十一円、とスマホの電卓を見せられる。
その瞬間、ちょっとしゅんとなるのも無理はない(泣)

乙女座には、正義の女神アストライアの姿が重ねられてきました。
神話によると、人間が欲に目をくらませはじめた鉄の時代。
神々が次々と地上を去るなか、最後まで人間のそばに残っていたのが彼女だったとか。
その彼女もついに天へ帰り、姿は乙女座に、手にしていた天秤は隣の天秤座になった。
そんな伝承まで残っています。
女神の星座らしく、乙女座は、公平であることにとても敏感。
どちらかが多く払うことで、関係に貸し借りの傾きが生まれるのを嫌うんです。
乙女座の割り勘は、ケチの印ではなく、あなたと対等でいたいという意思表示。
脈を測りたいなら、会計の場面より、会話の中身やデートの誘い方を見たほうがずっと確か。

奢らないことと、大事にしていないことは別の話

ここで、さっきの幕の内弁当を思い出してほしいんです。
ふだんのデート代と、誕生日や記念日のお金は、乙女座の中ではまったく別の仕切りに入っています。
週末のランチは割り勘でも、誕生日にはがらりと変わる。
何週間も前から予約した店で、きちんと選び抜いた贈り物を差し出してくる。
ふだんを節約しているのは、特別な日に思いきり使うため、だったりします。

見るべきなのは、奢るかどうかより、使うと決めた場面での迷いのなさ。
ふだんの仕切りが浅い乙女座ほど、特別な日の仕切りは深い。
奢らないことと、大事にしていないことは、別の仕切りの話。

あなたの買い物に、乙女座男性が口を出してくるとき

それ、年に何回使う?と聞かれた土鍋の日

冒頭の土鍋の話に戻ります。
当時の私は、乙女座の彼と一緒に暮らしはじめて半年ほど。
年に何回使う?と聞かれた瞬間、頭にカーッと血がのぼりました。
私のお金で何を買おうと、私の自由でしょ!
気づいたら、そう言い放っていた。
台所のカウンターに土鍋をドンと置く音が、やけに大きく響いたのを覚えています。
彼は何か言いかけて、口をつぐんで、そのまま黙りこんでしまいました。

結局その夜は、お互いに背中を向けたまま。
布団の中で、私はずっと腹を立てていました。
人の楽しみにケチをつけないでよ。
あの鍋でどれだけ温かい冬が過ごせるか、数字じゃ測れないでしょ。
(そもそも、なんで一緒に喜んでくれないの…はぁ…)
正直言うと、この人とはやっていけないかも、と思った夜でした。

責めたかったんじゃない、怖くなっただけ

翌朝、目を覚ますと、スマホに彼からの長いLINEが届いていました。
送信時刻は、深夜三時すぎ。
何度も書き直したんだろうな、とわかる、きれいに整った文章でした。

小学生のころ、父親の店がうまくいかなくなった時期があったらしい。
夜中に目が覚めると、台所のテーブルで、母親が小銭を何度も数えていた。
給食費の袋を渡してくれるとき、ほんの一瞬だけ、母親の手が止まったこと。
その一瞬を、今でも覚えているんだって。
だから大きな買い物を見ると、自分のお金じゃなくても、胸のあたりがざわざわしてしまう。
最後の一行は、こうでした。
責めたかったんじゃない。怖くなっただけ。ごめん。

スマホを握る手が、じんわり熱くなりました。
年に何回使う?という一言の裏に、こんな台所の景色が隠れていたなんて。
土鍋ひとつであれほどカッカしていた自分が、急にちっぽけに思えた。

お金の価値観の奥には、育った家の脚本がある

マネースクリプトで見る、乙女座男性のお金の不安

あの一件のあと、心理学の講座のテキストを引っぱり出して、マネースクリプトの章を読み直しました。
アメリカの金融心理学者ブラッド・クロンツらが提唱した考え方で、日本語にするなら、お金の脚本。
子どものころ家で見聞きしたお金のあれこれが、知らないうちに台本になる。
大人になってからの買い方や貯め方を、その台本が裏で動かしている、というものです。

脚本には、大きく分けて四つのタイプがあるとされています。
お金は汚いもの、持ちすぎはよくないと感じる回避型。
お金さえあれば幸せになれると信じる崇拝型と、持ち物で自分の価値を示そうとする地位型。
最後が、お金を慎重に扱って、いつも万一に備えようとする警戒型です。
乙女座の男性には、この警戒型の脚本を持っている人が多い印象。
彼の場合は、あの台所の景色が、脚本の一ページ目だったんでしょう。

私の家の脚本は、お金の話は野暮

脚本を持っているのは、もちろん彼だけじゃありません。
読み進めるうちに、私は自分の家の台本にも気づいてしまった。
実家では、食卓でお金の話をすると、母があからさまに嫌な顔をしました。
お金のことをあれこれ言うのは、品がない。
そのくせ、玄関に飾る花やちょっといい器には、家計が苦しい月でもお金を惜しまない人でした。
たまの贅沢は心の栄養よ、が口ぐせで。

どうりで、あの時の年に何回使う?が、あんなに刺さったわけです。
私の脚本では、お金の話を持ち出すこと自体が野暮で、気持ちが上がる買い物は正義。
彼の脚本では、お金の話を避けるほうが危なっかしくて、使わないものは不安の種。
どちらも、それぞれの家の台所で、大事に書き継がれてきた台本なんです。
お金の価値観が合わないのは、財布の中身じゃなく、育った台所がちがうから。

乙女座男性はケチなのか、倹約家なのかを見分ける

とはいえ、お金の使い方をすべて、星座や育ちのせいにはできません。
中には、本当に相手を軽んじている使い方もあります。

物差しを、自分にも当てているかどうか

倹約家とケチを分ける目印は、物差しを誰に当てているか。
倹約家の乙女座は、その厳しい目盛りを、まず自分に当てています。
自分の服もランチも、同じ基準で選んでいる。
ケチと呼びたくなる人は、そこが逆。
自分の趣味には気前よく使うのに、あなたが使うときだけ、急に採点が厳しくなる。
倹約は、自分にも厳しい物差し。
ケチは、相手にだけ厳しい物差し。
彼の物差しがどちらを向いているか、しばらく静かに眺めてみてほしい。

ここぞという場面で、財布を開くかどうか

もうひとつの目印は、使うべき場面で、ちゃんと使えるかどうか。
あなたが体調を崩した夜のタクシー代。
お世話になった人へのお礼や、友達の結婚祝い。
倹約家の乙女座は、こういう場面では迷わず財布を開きます。
ふだんの節約は、ここで使うための準備ですから。
反対に、あなたが熱を出している夜でも、電車で帰れるよね、と言う人。
どんな場面でも出し渋るなら、脚本の問題を通り越して、思いやりの量のほうを疑っていい。

あなたのお金にまで踏みこんでくるなら、話は別

この項目だけは、笑い話にできません。
あなたの給料を、彼が管理しようとする。
生活費を渡さなかったり、使ったお金をレシート一枚まで報告させたり。
あなたが働くことや、自分のお金で買い物することを許さない。
お金のことを持ち出して、人格まで否定してくる。
ここまで来ると、もう価値観の違いではありません。
経済的暴力と呼ばれる、れっきとしたDVのひとつです。
星座の相性で片づけないでほしい。
信頼できる人や自治体の相談窓口、配偶者暴力相談支援センターなどに、早めに話してください。
あの土鍋の夜の彼が口にしたのは、私の買い物への不安だけ。
あなたのお金を取り上げようとする人とは、比べものにならない。

価値観が合わない乙女座男性と、お金をすり合わせるコツ

お互いに口出ししない自由費をつくる

土鍋事件のあと、何度か話し合いを重ねました。
最初に落ち着いたのは、お互いに何も言わないお金をつくること。
毎月、決まった額を自由費として、それぞれの財布に確保する。
その範囲なら、推しのグッズでも高い入浴剤でも、使い道は問わないルール。
ガチャガチャに全部つぎこんでも、相手は一切口を出さない。
幕の内弁当に、どんぶりの仕切りをひとつだけ足したようなもの。
まぁ、私の自由費の大半は、毎月きれいにコスメへ消えていくんですけど(笑)

乙女座の彼にとっても、これは思っていた以上に気が楽だったらしい。
あらかじめ決めた枠の中なら、何に使われても、心配の計算をしなくて済むから。
ルールが先にあれば、乙女座は驚くほど寛容になれるんです。
価値観は、無理に同じにするものじゃない。
仕切りを一つずつ、足していくもの。

二人のためのお金は、割合で決める

家賃や食費、旅行のように二人で使うお金は、金額より割合で決めるとぶつかりにくい。
収入に差があるなら、ちょうど半分ずつより、稼ぎに合わせた比率のほうが、実はずっと公平です。
アストライアの天秤で量りたいのも、金額がそろっていることより、二人の負担の釣り合い。
こういう提案には、乙女座はむしろ乗り気になりやすい。
頼んでもいないのに、表計算ソフトで共有用の表まで作ってくるかもしれません(笑)
そこは素直にありがとうと言って任せてしまうのが、平和への近道です。

話が平行線なら、ファイナンシャルプランナーに頼る

どうしても話が平行線になるなら、第三者の力を借りるのも手です。
たとえば、ファイナンシャルプランナーのようなお金の専門家。
乙女座は、感情的な説得より、根拠のある数字や専門家の意見に耳を傾けやすい星座です。
恋人に言われると反発したくなる話も、プロに言われると、なるほど、とメモを取りはじめたりする。
二人で一度、将来のお金を数字で並べてもらう。
それだけで、なんか、言い争っていたのがばかばかしくなることもあります。

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